株式はどうやって評価すればよいのか?贈与税額の計算方法も解説
株式を贈与する際、評価額の算定は贈与税額を求めるために欠かせない作業です。
適切な評価方法を理解していないと、想定外に高額な税金が課されたり、税務調査によって申告漏れを指摘されたりするリスクがあります。
今回は、株式の評価方法や、贈与税額の計算方法などについて解説します。
贈与における株式の評価方法
株式の評価方法は、対象となる株式が上場株式であるか、取引相場のない非上場株式であるかによって異なります。
それぞれの評価方法は、次の通りです。
上場株式の評価方法
証券取引所に上場しており、日々市場で取引されている上場株式の評価は、客観的な市場価格をもとに行われます。
具体的には、株価の一時的な急変動による不利益を防ぐため、以下の4つの中で最も低い金額を採用します。
- 贈与があった日の最終価格
- 贈与があった月の毎日の最終価格の平均額
- 贈与があった月の前月の毎日の最終価格の平均額
- 贈与があった月の前々月の毎日の最終価格の平均額
非上場株式の評価方法
非上場株式の評価方法は複雑であり、株式を取得する人が会社の経営を支配する同族株主か、あるいはそれ以外の少数株主かによって異なります。
同族株主が取得する場合は、 以下の3つの評価方式があります。
- 類似業種比準方式: 自社と業種が似ている上場企業を参考にする
- 純資産価額方式: 会社の正味の財産価値をもとにする
- 併用方式: 類似業種比準方式と純資産価額方式を併用する
上記のどの方式を用いるかは、会社の規模に応じて決定されます。
一方で、少数株主が取得する場合は、 配当還元方式が適用されます。
配当還元方式は、過去2年間の配当金の額から逆算して株価を評価する方法です。
贈与税の金額を計算する方法
株式の贈与税は、贈与の方法として暦年贈与と相続時精算課税制度のどちらを選択するかによって異なります。
暦年贈与の場合には、年間110万円の基礎控除を超えた金額に対して、税率を乗算することで贈与税額が求められます。
したがって、このときの計算式は次のとおりです。
贈与税額 =(1年間で贈与された株式の評価額 - 110万円)× 税率
相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫へ贈与する際に利用できる制度です。
この制度では、累計2500万円の特別控除枠まで贈与税が非課税となり、控除枠を超える部分は一律20%の税率で課税されます。
そのため、贈与税額は以下の式で求められます。
贈与税額 ={(贈与された株式の評価額 - 110万円)- 2500万円 }× 20%
上式で贈与税額がゼロ以下になった場合は、贈与税がかからず、申告も必要ありません。
ただし、相続時精算課税制度で贈与された財産は、贈与者が亡くなった際に相続財産へ加算され、相続税の対象となります。
株式を贈与する際の注意点
株式を贈与する際には、以下の点に注意してください。
贈与のタイミングによって評価額が変動する
上場株式であっても非上場株式であっても、株価のデータは常に動いているため、株式を贈与するタイミングは慎重に判断する必要があります。
たとえば、非上場株式の場合、会社の決算で大きな利益が計上された後や、高額な資産を購入・売却した後は、類似業種比準方式や純資産価額方式による評価額が急激に跳ね上がることがあります。
株価が高いタイミングで贈与の手続きをしてしまうと、適用される贈与税額も高くなるため、注意してください。
事前に自社の決算書や試算表を精査し、株価が下がるタイミングを狙って贈与の契約を締結することで、贈与税の負担軽減が期待できます。
名義株とみなされて相続税が課されるリスクがある
株式を贈与したい相手の名義で口座を勝手に開設し、株式を移転すると、名義人と実質的な所有者の異なる名義株であるとみなされる可能性が高いです。
名義株は、株式のもとの所有者が亡くなった際に相続財産として加算されるため、注意が必要です。
相続開始前の一定期間に行われた贈与は相続税の対象になる
亡くなる前の一定期間内に将来相続人となる人に対して行われた生前贈与は、相続財産に加算されます。
そのため、この期間内に贈与された株式は、贈与税の基礎控除内であっても、相続税の対象となることに注意してください。
まとめ
今回は、株式を贈与する際の評価方法や、贈与税額の計算方法などについて解説しました。
株式を評価する際には、上場・非上場の区分に応じた正しい評価方法の選択や、特例税率の適用要件の確認など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。
納税額を最小限に抑えて株式の贈与を行いたい方や、株式の評価額算定に負担を感じられている方は、税理士に相談することを検討してください。
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