未成年者控除|適用要件や注意点について
日本の相続税法では、相続人となった未成年者の経済的基盤を保護するために、未成年者控除という税額控除があります。
今回は、未成年者控除の適用条件や、適用を受ける際の注意点などについて解説します。
未成年者控除とは
未成年者控除とは、相続または遺贈により財産を取得した相続人が被相続人の死亡時に満18歳未満である場合、その人が満18歳に達するまでの年数に応じて相続税額を減額する制度です。
未成年者控除の適用要件
未成年者控除を受けるためには、相続開始時点において次の要件を同時に満たしていなければなりません。
財産の取得原因が相続または遺贈であること
未成年者控除の適用要件の1つめは、対象となる財産が相続または遺言による遺贈であることです。
ただし、相続開始から7年よりも前に行われた生前贈与については未成年者控除適用の対象外となります。
未成年者が法定相続人であること
未成年者控除の2つめの適用要件は、適用を受ける者が被相続人が亡くなった当日に未成年、かつ法定相続人であることです。
法定相続人には、被相続人の実子や養子、あるいは亡くなった子に代わって相続する孫などが該当します。
遺言によって友人や遠い親戚の未成年者に財産を譲る場合、その人は法定相続人ではないため、未成年者控除を適用することはできません。
また、相続放棄をした未成年者が生命保険金を受け取った場合も、相続放棄によって最初から相続人ではなかったものとみなされるため、未成年者控除の適用対象から外れます。
相続開始時に日本国内に住所があること
財産を取得した際に本人が日本国内に住所を有していることが、未成年者控除の3つめの適用要件です。
ただし、日本国籍を持っており、かつ被相続人が一定期間内に日本国内に住所を有していた場合など、特定の例外条件に当てはまる場合は海外居住者であっても認められるケースがあります。
未成年者控除の金額計算
未成年者控除額は、以下の計算式で求められます。
控除額 = 10万円 ×(18歳 - 相続開始時の年齢)
控除額の算出時、相続開始時の年齢で1年に満たない期間については切り捨てられます。
この控除は、相続税の総額を各相続人の取得割合に応じて按分した後のそれぞれの算出税額に対して適用されます。
未成年者控除の引き継ぎ
未成年者控除によって、本人の税額を超える控除額が発生することがあります。
その際の措置として、余った控除枠は他の相続人へ移転させる未成年者控除の引き継ぎを行うことが可能です。
控除によって本人の税金がゼロになり、さらに控除額が余った場合は、その未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引かれます。
扶養義務者の範囲には、配偶者、直系血族、および兄弟姉妹が含まれます。
扶養義務者が複数いる場合には、余った控除額を分け合うことが可能です。
どのように配分するかは、相続人間の話し合いで決まります。
未成年者控除を利用する際の注意点
未成年者控除を活用する際の注意点は、以下の通りです。
特別代理人が必要になるケースがある
未成年者が財産を相続する際、通常は親権者が法定代理人になります。
しかし、親子が同時に相続人となる場合は利益相反に該当し、親が子を代理して遺産分割協議を行うことはできません。
このとき、家庭裁判所で特別代理人を選任する手続きが必要となることに注意してください。
過去に未成年者控除を受けたことがある場合の制限
過去に別の相続で未成年者控除を受けたことがある場合は、控除額に制限がかかります。
二重に控除を受けることは認められず、前回の相続で使い切った枠を差し引いた残りの範囲内でしか適用できないことを把握しておきましょう。
まとめ
今回は、未成年者控除の概要と、適用を受ける際の注意点について解説しました。
未成年者控除の適用を検討する際には、対象となる財産や適用を受ける者が要件を満たしているか判断する必要があります。
適用条件の判断に迷われたり、未成年者控除の申告手順に不安を感じたりした場合には、早めに税理士に相談してください。
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